退職金を相続する際におさえておきたいポイント
相続が発生すると、預貯金や株式、不動産などあらゆる故人の財産一つ一つに対して、名義変更や払い戻し、解約といった様々な手続きをしなければなりません。故人が生前に受け取るはずだった退職金もその一つです。そこで、退職金を相続する際におさえておきたいポイントをまとめてみました。
目次
・退職金は遺産分割する必要がない
被相続人が死亡したことによって受け取る死亡退職金の場合、故人の遺族の生活保障を目的としているため、原則として法定相続人に遺産分割する必要はありません。社内規定で定められている受取人が受け取ることになります。遺産分割協議の対象ではないため、たとえ相続放棄をしていても受け取ることが可能です。
ただし社内規定で受取人が定められていない場合、法定相続人が請求すれば遺産相続の対象となることもありえますので注意が必要です。この場合は、遺産分割協議によって決められた法定相続人が退職金を受け取ることになります。
・退職金は相続税課税の対象となる
退職金は遺産分割の対象外であっても、税務上は相続財産として相続税課税の対象となります。
課税対象額は全額ではなく、「500万円×法定相続人の数」の金額は控除され、この金額を超えた分に関して課税されることになります。
・退職金を受け取る際は故人の勤務先に連絡を
故人の退職金を受け取る場合、手続きが必要です。
届出書はもちろんのこと、戸籍謄本や印鑑証明書などの提出も必要になります。会社によって異なりますので、詳細は故人の勤務先に直接連絡をして確認しながら進めていきましょう。
相続に関する諸手続きは煩雑で手間がかかるため、その道のプロである税理士に相談するとスムーズに進めることができるのでお勧めですよ。
この記事の監修者
税理士 原 直哉(ハラ ナオヤ)
司法書士、行政書士、ファイナンシャルプランナー(FP)
経歴
相続において専門家のアドバイスが必要な方に対して、必要なサポートを行っている。
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